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サウナ療法

日本語

サウナ療法-赤外線サウナは体の解毒および健康上の気がかりの管理に対する安全で効果的なアプローチです

クリスティーナ・ファリコ理学士・自然療法医師
東カルドン家庭カイロプラティック オンタリオ州東カルドン
レクスデールカイロプラティックセンター オンタリオ州エトバイコーク



Sauna Therapy - Infrared saunas are a safe and effective approach to detoxifying the body and managing health concerns



はじめに

体は、多数の方法で解毒することができます。その目的は本質的に、多くの健康上の懸念を進行させる可能性のある毒性負荷を体にかけるような化学物質および環境汚染物質を排出することです。最近の研究では、私たちの環境中に500万以上の化学物質があることが示されましたが、これらの化学物質は体内で筋、神経、心血管および肺のシステムにマイナスに作用します[1]。赤外線サウナあるいは赤外線ランプは、皮膚および汗を媒介に使いこれら毒性のある化学物質を排出するその力により、より良い健康を手に入れるための安全で効果的な治療機器であることが示されました。私たちの皮膚は体内最大の解毒器官であり、2平方メートルになります[1]。体が既に作り出したナトリウム、塩素、カリウム、亜鉛、尿素、リンやマンガンといったミネラルの多くを排泄する能力が、私たちの汗腺には元来備わっています。しかし私たちはさらに発汗を通して、体に負荷をかけている他の水溶性および脂溶性の毒物を排出することができます[1,2]。ですから、アンフェタミン、モルヒネやメタドンのような薬剤に加えて、殺虫剤、ホルムアルデヒド、フタル酸エステルやポリ塩化ビフェニルのような環境汚染物質は、全て汗を介して排泄することが可能で、これはサウナ療法の利用により達成可能です[1]

生理学的に、体は熱ストレスに反応して、心拍および心拍出量を上昇させ、末梢抵抗を減少させ、末梢循環を増加させます[4]。末梢抵抗の減少に伴い、最低血圧および動脈血圧が低下しますが、最大血圧に変わりはありません。それに加えて、代謝速度および酸素消費量と酸素交換とに増加があります。全体的な効果は、中程度の運動のそれと類似しています[4]。さらに、この療法には体の解毒に加えて、交感神経系およびHPA軸(視床下部-下垂体および副腎軸)への作用を介した鎮痛の要素があります[4]。ノルエピネフリンが上昇する一方でコルチゾール値は一般に変わらず、他方で成長ホルモン、β-エンドルフィンおよびプロラクチン値も上昇します[4]。ですから、快感および鎮痛作用を得させるのは、治療に次ぐβ-エンドルフィンの上昇が原因です[4]


伝統的サウナ対赤外線 伝統的サウナ対赤外線

ヨーロッパのサウナは伝統的に、体に対するその加温効果およびリンパ系への直接的な作用による解毒老廃物排泄の能力が人気でした[1]。ヨーロッパのサウナは、体を温めるための間接熱を生成するのに、電気あるいは蒸気に頼っています。対流(気流)および熱い空気の伝導(熱い空気と皮膚の接触)により、温度が上がる(75-95°C/167-203°F)のに加えて湿度も上がり、最初に空気を次に体を温めることで、発汗が起こります[1]。これは効果的なアプローチのように聞こえながらも、その不快な特徴が理由で、かねてから敏感な人にとって、特に心血管および肺由来の病態を持つ人たち、ぜんそく、妊婦たち、熱に弱い人たちおよび高齢者たちから、多くの懸念が上がる可能性があります[1,2]。ヨーロッパのサウナは体を暖め過ぎ、血圧を危険な範囲まで上げ、湿気と高温が原因で呼吸が難しくなり耐え難くなるかも知れません。

他方、赤外線サウナは放射熱(赤外線エネルギー)を生成するセラミックヒーターを用います[1]。赤外線サウナが発することができる波長は、近、中そして遠赤外線の三種類です。波長が4-14ミクロンの遠赤外線の波長で、最良の健康上の転帰が示されました[1]。これは、振動により皮膚表面を超えて進む熱源を生成するエネルギーの一形態です。この結果、遠赤外線波長が体温を上昇させ、ヨーロッパ流サウナのように空気を熱することなく発汗を促すため、細胞間の代謝に変化が起こります[1,2]。ですから、リンパ排液および発汗の増加という同じ目標を、ずっと低い気温(45-50°C/113-122 °F)で達成することができるのです。これにより、リスクが高く熱に弱い患者たちの治療はずっと耐え易いものになり、注意が促される伝統的蒸気サウナに関わる副作用のいくつかを回避することが可能となります。

先で言及したように、毒性のある化学物質が体内で増加すると、人の健康に有害な影響があるかも知れません。ですから、サウナ療法を通じてどんな毒性負荷でも排出することが、多くの異なる病態にプラスとなることが示されました。サウナ療法は慢性疲労症候群および抑うつの人たちの大きな力添えとなることが証明されました。サウナ療法は、筋肉の正常な緊張を促し、体内の循環を増加させることで筋骨格疾患の治癒速度を上昇させ、より良い酸素交換およびリンパ排液をもたらします。他の研究では、慢性痛患者および線維筋痛やリウマチ性関節炎のような炎症性病態、心血管疾患や水銀・鉛のような毒物の汗による排出に効果があることが示されました。さらに、いくつかの研究での提唱によると、適度に調整している人はサウナで簡単に500gの汗を流し300 kcal近くカロリーを消費する(これは2-3マイル走るのと同等です)ため、サウナ療法は減量を助けるかも知れません [2]。それに加えて、サウナは肝臓に働きかけフェーズIおよびフェーズII反応の適切な機能を促進します。これにより肝臓は、体内の水溶性および脂溶性の分子および毒物をより良く解毒・排出します。


エビデンス
Evidence 抑うつおよび鎮痛

軽い抑うつ、全身疲労そして食欲喪失の患者28人を対象として、ある小規模の研究が行われました。患者たちは治療群と対照群とに分けられました。患者14人は15分の遠赤外線サウナ療法を20セッション、4週間の期間受けました。その結果、対照群と比較して治療群では、身体的愁訴、食欲およびリラックス能力の改善において統計的に有意な改善があることが示されました[4,5]

サウナ療法が鎮痛に及ぼす作用はプラスの結果を示しました。赤外線サウナは、筋肉を弛緩させ、腱や関節の伸縮性を増大し、かつ骨液の粘性度を低下させることから、痛み、炎症そして関節の硬直を和らげるのを助けます[4]。赤外線サウナが血液細胞の循環を負傷部位に届け、栄養素を供給しその他の治癒力をもたらすことから、怪我の治癒時間も短縮します。ある研究によりエビデンスが示されましたが、その研究は慢性痛で(少なくとも6ヶ月の期間)入院した患者46人を対象とし、患者たちは2群に分けられました[4,6]。被験者全員が、複数専門分野にまたがる処置を受けましたが、これには認知行動療法、リハビリテーションそして運動療法などがありました。しかし、これら被験者たちのうちの22人は付加的に15分の赤外線サウナ療法を、週5日、4週間受けました。最終的な結果、サウナ群では、疼痛行動の解消および怒りのスコアに低下が示されました。2年間の追跡では、非サウナ群の50%と比較して、サウナ群の77%が仕事に復帰できたことが明らかとなりました[4,6]。ですから、赤外線サウナ療法は、関節炎、線維筋痛、そして怪我に関わる痛みのような諸々の筋肉や関節の疼痛に悩む人たちに有益かも知れません。

心血管の健康 心血管の健康

サウナ療法は、広範囲の心疾患に対する安全で効果的な治療法であることも証明されました。心血管の健康における赤外線サウナ療法の効果を定めるために、ある研究では、少なくとも冠危険因子のある被験者たちに、60℃の赤外線サウナに毎日15分、2週間入ってもらいました。サウナ療法を施された参加者たちはそうでない参加者たちと比較して、収縮期血圧が優位に低かった(平均110 mmHg vs. 122mmHg)のです[3,6]。この研究では、赤外線サウナ療法に応答して一酸化窒素に上昇があることが示唆されます[4,6]

日本でのある研究では、鬱血性心不全の患者たちに対する遠赤外線サウナの影響を調査しました。まず心血管リスクのある男性25人と健康な対照の10人とに対して、赤外線サウナ(60℃で15分)が2週間にわたり10セッション施され、それに次いで30分、ベッドで毛布をかけた休憩が行われました。この目的は、内皮機能を改善させる赤外線療法の力を見るためです[4,7]。その結果、上腕動脈の拡張(ニトログリセリン処置なし)に有意な改善が示されました[7]。次に、慢性心不全(ニューヨーク心臓協会クラスIIまたはIII)と診断された患者20人に同様のサウナ療法が行われました。赤外線サウナ群はたった10セッションの後に上腕動脈の内皮依存性拡張に改善がありましたが、対照群には何の変化もありませんでした[4,8] 。これに加えて、参加者20人のうちの17人が臨床症状に改善を見せました[8]。ですから、赤外線サウナ療法は心疾患患者に有益です。

化学物質への慢性暴露 化学物質への慢性暴露

病気になるリスクが7-15倍高いという覚醒剤の製造所に対して一貫して暴露があることから、ユタ州の警察官たちを対象とした調査が行われました[9]。覚せい剤製造所に関連するアクティビティに携わるユタ州の警官たちの推定50%が、死亡率、ガン発症率あるいは通常あまり見られない症状があると報告され、覚せい剤製造所に関連する暴露およびその結果起こる健康問題との因果関係が暗示されました[9]。“ユタ覚せい剤取締官プロジェクト”に連続して携わった警官69人を、段階的な運動、包括的栄養支援および物理サウナ療法を伴う治療プログラムの前後で評価しました[9]。評価には、治療前後の研究開発法人(RAND: Research and Development Corporation)スコア、RAND集団の平均と比較した36項目の略式健康調査(SF-36: 36-item Short Form Health Survey)、症状の激しさスコア、神経毒性スコア、ミニメンタルステート試験、症状出現頻度、そして治療プログラム安全性の構造化評価といったものが用いられました[9]。この研究の結論によると、SF-36、症状スコアそして神経毒性スコアに、統計的に優位な健康改善が見られました。解毒プロトコルの耐用性は良好で、完了率は92.8%でした[9]

結論として、正しく利用されるサウナ療法の安全性には長い歴史があります。しかし、多くの治療と同様に、サウナ療法には利用の際の望ましくない副作用の可能性もあります。サウナ療法を考慮する前に各自の担当医と話して、自分に相応しい治療法であるかどうかを確実にしてください。閉所恐怖症、妊娠(異常高熱は催奇性があります[4])、極端なリンパ浮腫、低血糖症、腎疾患、肝疾患、呼吸器疾患のいくつか、ペースメーカそして他の金属移植片について注意してください [1]